「――――うん、いいね。どっか行っちゃおうか?」とある日の授業中。夏と秋との境目にある10月の空をぼんやりと眺めながら、退屈な時間を過ごしていた俺――北条彰人(ほうじょう・あきと)は「……どこかに、逃げ出したいなぁ」なんて無責任な独り言をつぶやいていた。すると不意に届いてきたのは、先のそんな返事。ふと見れば、となりの席に座るクラスメイトがこっちを見て微笑んでいる。今まで会話をしたことも無い様な彼女からのその一言で、俺は密かに胸の中に宿していた願望を、**く自覚する。それがキッカケだったのかはわからない。でも確かに、その日から俺の日常は大きく変わる。路地裏で、誰かに追われている不思議な女の子と出会い。道端では、見知らぬ外国人から突然好意を寄せられ。通りがかった旅の途中のお嬢様とは、勢いで友達になり。そんな様子がおかしい俺へと、妹は必要以上に警戒しはじめて。そして声をかけてきた、となりの席に座るクラスメイトとは『逃避行ゲーム』なんて名前をつけた妄想ゲームで、日々の退屈な時間を紛らわせることになる。でも、俺の胸の中に眠る密かな願望は消えない。いつか俺は、この退屈な日常をかなぐり捨て、大切な誰かの手を引き、共にどこか遠くへと逃げ出してしまうのだろうか――――。
“逃避行”――何かを守るため、もしくは何かを捨てるために、どこか誰も知らない遠くに逃げ出す道行。本作は退屈に飽き飽きしている主人公が、ヒロインたちと様々なカタチの“逃避行”を繰り広げる青春群像AVGだ。それはちょっとした小旅行だったり、命がけの逃亡だったり、愛を貫くための“かけおち”だったり……ヒロインたちが抱えた事情によって、旅の様相は大きく異なっている。それぞれの逃避行の中で、ヒロインと主人公は大小様々な問題と向き合い、そして絆を深めていくことに……。前作「ひよこストライク!」でも描かれ多くの共感を呼んだ“日常から少しずれた視点”が、本作では“逃避行”というカタチでより鮮明に描写。魅力的な美少女と二人きり、手に手をとっての逃避行は、そこでしか味わえない特別なドキドキに満ちているぞ!
一羽 ニア(いちは・にあ)(CV:shizuku)
珠那覇 恋奈(たまなは・れんな)(CV:榊原ゆい)
ノルム・ロスリスバーグ(のるむ・ろすりすばーぐ)(CV:赤司弓妃)
北条 実里果(ほうじょう・みりか)(CV:藤崎さや香)
天井 心音(あまい・ころね)(CV:歩河みぃな)