“御厨潤一郎”は、その年の春に就職した会社で多忙な日々を送っていた。そんなある日の夜、実家から届いた荷物には、**の頃に自分の一番のお気に入りだったオモチャの携帯電話が、手紙や食料と一緒に収められていた。懐かしさにしげしげと眺める潤一郎の手の中で、電池が入れられていないにも関わらず、甲高い電子音を部屋中に鳴り響かせるオモチャのケータイ。恐る恐る、それを耳に当てる潤一郎。そこから漏れ聞こえてきたのは、到底この世の物とは思えない女の声だった。『約束、だよね……絶対、あなたのお嫁さんに、なりに行くから……』あくる日、恐怖に布団へ潜り込んだ潤一郎を揺り起こしたのは、幼稚園が一緒だった 幼馴染みの“清沢 桜”だった。 突然やってきた桜に色々な疑問を抱きつつ、彼女と一緒に暮らす潤一郎だったが、ある時、彼女の隠された正体を知ってしまう…。桜に隠された真実に、潤一郎はどんな思いを抱き、彼女に接していくのか……。