戦乱が続く大陸があった。そこでは女性が絶対優位にあり、男性は家畜同然の扱いを受けていた。当然、各国の軍組織においても、女性で占められ、男性が喰い込む余地など全くなかった。そう、軍隊組織において、男など使えない駒同然だったのだ。そんな女性優位が至極当然の世界において、特殊な軍隊を持つ国家があった。それは女性の人口が総人口20%に過ぎず、軍の主力を男性で構成しなくてはならない国家であった。しかし、女性に劣る男性が主力である、その国家は、他国に対抗できるはずもなく、存亡の危機に晒されていた。そうした状況下、その国家に救世主が現れるのだった。下等生物の男性にあって、その男の能力は群を抜いていた。いやさ、優秀な女性司令官に優るとも劣らない卓越した戦略眼と、勇猛さを併せ持つ、稀代の名司令官だったのだ。その男の名は“カーツ”。戦乱続くこの大陸の歴史に大きな足跡を残すであろう男の名である。