主人公の妹“琴子”は難病を患っていた。それは環境そのものの“絶対安静”が必要な病だった。一日自室で本を読むだけの琴子の日々。僅かな刺激も禁忌なので、誰も彼女の部屋を開けてはならなかった。だがある日、夜空に無数の流星が降り注ぐ光景を琴子に見せようと、主人公はドアを開けてしまった。そこで主人公が見たのは、息を引き取った琴子の姿……。ドアを開けた自分が悪いのか? それとも、開ける前から既に“そうなって”いたのか? この一件で深い傷を心に刻んだ主人公は、物事をはっきり決められない性格になり、日々、怠惰に過ごすようになった。それから時がたち、あの日と同じように流星が降り注ぐ夜が再び訪れた。ふと昔を思い出した主人公は琴子の部屋のドアを開けた。そして彼は、元気な姿の琴子をハッキリと目の当たりにした。翌朝には両親も琴子の死など“なかったこと”になっており、ついでに飼い猫が人間の少女にに変貌するという珍事まで発生していた。あまりの出来事に戸惑いながらも、状況に流されるまま、主人公は家族との新たな関係を模索し始めるのだが……。
扉を開けると死んでいた妹。扉を開けると生きていた妹。それはまるで、重なり合った二っつの運命。量子力学が例える「シュレーディンガーの猫」のように、箱を開けてみるまでは猫が生きている未来と死んでいる未来は、どちらも「正しい」。本作はそんな数学的な思考実験を巧みに織り交ぜつつ、「家族の可能性」を追求したアドベンチャーだ。膨大な知識から「博覧**記」と称される二人のシナリオライターが紡ぎ出す、知的かつ幻惑的、それでいて萌えもえでエロエロなストーリー。先の読めない縦横無尽なドラマをじっくりと楽しめる1本だ。
七枷結衣(CV:白波凛瑚)
七枷式子(CV:涼森ちさと)
七枷ギズモ(CV:佐藤しずく)
柚(CV:夏野こおり)
七枷琴子(CV:佐本二厘)