学生生活を野球に捧げて暮らしていたオレ、二年生の夏は練習練習の日々だった。 そして迎えた地方大会の決勝、痛恨のエラー。むなしく消えて行った全国大会の夢。 チームメイトは気にするなと言ってくれてはいるが、 オレは自分の事を許せず、そしてまた失敗する事が恐くて、立ち直れないままでいる。 必死でボールを追った時、大きなケガをした。幸い後遺症が残るほどではなく また復帰できるレベルだが……身体の傷も心の傷も大きくのしかかる。 何もかもが不安で……新学期から学校にも行けそうもない。 自宅と病院を行ったり来たりするだけの毎日。 そんな病院の帰り道、足元ばかり見つめて歩いていた俺は、光る一枚のコインを見つけた。 目の前には、不思議な光を放つ古いガチャガチャ――。 吸い寄せられるようにレバーを回し、出て来たカプセルを家に持ち帰る。 なんだか妙にドキドキしながら、カプセルを開けてみると、そこには小さな女の子が!? 「サラカっていうの、よろしくね♪」 サラカと名乗る女の子は、塞ぎ込むオレに対して時にやさしく時に厳しく接してくれる。 オレは、オレは、立ち直る事ができるのかもしれない……。
サラカ