「レーシュ国」の首都であった「トラストラスト」は、そのレーシュが大戦で敗北したことにより、「トリスタニア共和国」の属領とされた。トリスタニアは、トラストラストを政府下に置かず、軍だけを駐留し、隔離政策を行った。自治を任せれたものの、無政府状態となったトラストラストは、いつしか無法地帯と化していった。元々、城塞都市であったトリスタニアは、高い壁で囲まれており、港を除いて外部との通行は、ひとつの門によってのみ行われていた。そして、現在でも、それは変わらず、門を通じて、街への出入りが監視され、街へ入るのは容易だが、街を出るときは厳しい検問があるため、街から出られなくなってしまうことも少なくなかった。それから、四半世紀の時が流れた。“ニール(主人公)”が、この街にやってきたのは1年ほど前のことだ。その頃のニールは、刑事であり、レーシュ国の大企業であるブロワ重工の社長の悪事を追って、相棒とともに、この街に潜入していた。しかし、信用していた相棒に裏切られ、ニールは街から出ることが出来なくなってしまった。あらゆる手段を講じてみたものの、まったく請合ってもらえず、街で生きていくことになったのだ。ニールは、この1年、枢軸軍の依頼を受けて人探しをする賞金稼ぎとなって、何とか命を繋いでいた。そして、いつか街から出られるという「密航船」のチケットを手に入れるのが夢だった。しかし、日々の生活を維持するのがやっとの状態では、その高額のチケットを手に入れる資金を調達するのに、どれほどの時間がかかるのか……。そんなある日、ニールの元に、誘拐された誘拐された少女を救い出し、誘拐**の身柄を抑えるという依頼が舞い込んだ。危険をともなう依頼だが、その報酬は、命を賭けるに値する大金である。ニールは、その依頼を引き受けると、早速、行動を開始するのだったが……。