長きに渡る魔族と人間の争いも、金の瞳を持つ勇者によって、人間側の勝利で終止符が打たれた。しかし、魔族は去ったものの、今度は、人間同士による世界の覇権を巡る戦争が勃発し、依然として世界は混沌としていた。そうした世界にあって、大陸最大の国家「帝国」では、大衆の娯楽として、剣奴による剣闘士競技が人気を集めていた。観衆の見世物として闘技場で、死ぬまで互いに殺し合わなければならないという残酷な境遇に置かれる闘奴達。そのなかに、あの伝説の勇者と同じ「金の瞳」を持つ青年がいた。その青年の名は“サイク”――。サイクは、記憶のほとんどを失い、砂漠を彷徨っていたところを子分商人に捕らえられ、この闘技場に売られてきた。サイクは、闘奴として、自分と同じ境遇にある者達と命を賭して闘うことになるのだが……。